毎日がブエノスディアス!

~PaPiTaMuSiCaのブログ~

ネストル・キルチネル前大統領を偲んで

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ARGENTINA アルゼンチン

弊ブログではアルゼンチンの政治等に関して、ふだん書くことはありませんが10月27日に急逝した故ネストル・キルチネル前大統領に関して言えば、国民の反響が多大なことや、日本であまりにも話題にされていないので(むしろサッカーワールドカップの「予想ダコ、パウロの死を受けマラドーナツイッターで暴言」のゴシップの方が取り沙汰されている情けなさ)、ちょっと気づいたこと感じたことを備忘録的に書きます。

なお、単なる個人の感想にとどめた内容であることをご理解ください。

ネストル・キルチネル前大統領は、今年2月と9月の二度にわたり持病の心臓緊急手術を受けていたとは言え、すぐ仕事に復帰していたのでまさかの急死と国民は感じたようです。確かにまだ60歳と若く、現政権が妻・クリスティーナ大統領で次期大統領選にふたたび彼が立候補し、国政に関わり続けるであろうと多くの国民が期待していたようです。

10月27日深夜のテレビ放送では、急逝したエル・カラファテから首都・ブエノスアイレス、五月広場の大統領府(カサ・ロサーダ)へ彼の遺体が移送・安置され、多くの人々が突然の死を嘆き、別れに集まっている様子が報道されていました。その様子をインターネット動画で見て、「まあ、弔問に訪れるほどだから熱心な支持者たちなのだろうね」と私は静観していました。

それより10月27日より3日間アルゼンチン国全体が喪に服しその間ほとんどのイベントは中止となる模様で、こちらの方が気になっていました。

今回の急逝を受け、現地での報道の様子や身近な多くのアルゼンチン人たちの反応から、国民の彼への期待は想像以上に大きかったらしい?ということが日に日に強く感じられ、ちょっと驚いています。

というのも、現地の親しい音楽・映画・芸術等の関係者と少しくだけた席でアルゼンチンの国や政治について尋ねてみても、たいていは「関心ないよ」とかクールな姿勢を示す人が大半。

しかし急逝直後、コンサート中止の知らせを受け、たまたま見たFacebookでは、喪章を示す黒いリボンのアイコンを使用する多くのアルゼンチン人たちがいました。また日頃政治の話など興味がない、とか一切しないような私の友人たちも追悼の意を表していたのでした。昨年4月タニィがアルゼンチン滞在中に亡くなったラウル・アルフォンシン元大統領逝去の時とは大違いの反応に感じました。

MoñitoNegro

10月27日の急逝を受け、その日のうちにアルゼンチンのロック歌手・アンドレス・カラマーロが故ネストル・キルチネル前大統領に捧げる歌を自身のブログで発表しています。

http://www.rollingstone.com.ar/1319070

Nestor

27 de octubre

tengo suficiente argentinidad y memoria

capacidad de analisis y corazon ...

estoy seguro que la historia va a confirmar

que nestor fue el mejor presidente argentino de los ultimo cincuenta años

y quizas en argentina cincuenta años sean ... siempre

el unico que atendio a madres y abuelas

y el unico que madres y abuelas respetaron y quisieron

quien anulo los indultos que perdonaron el horror de la dictadura

y sus crimenes

nestor, que devolvio la ilusion a un pueblo herido, inestable y critico

el unico que enfrento al empresariato y a los poderes que historicamente

habian pactado con dictaduras criminales y con expolio imperial,

el de la argentina que enamora a los visitantes que llegan

y quieren quedarse

y respirar pais ...

中略

viva Kirchner para siempre !

若い頃軍事政権への反対運動に参加し投獄を受けた経験もある故ネストル・キルチネル前大統領。

IMFの借金を踏み倒すことで(このやり方自体はどうかと思いますが)メネム政権時代から続くアルゼンチンの窮地を救ったと一定の評価はされてるようです。

また2003年就任以降、欧米からの観光客や投資が増え、アルゼンチンの音楽・文化・観光に関わる人々にとっては良い方向に向けてくれた、と実感した人も多かったよう。

「アルゼンチンは前大統領を失ったのではなく、次期大統領候補を失った」と書かれているのをどこかでみましたが、まさに言い得て妙、そのとおりだと思います。

おまけリンク:

氷河で有名なアルゼンチン南部リオ・ガジェーゴス出身のネストル・キルチネルの愛称はペンギンさん。

政治家と政治風刺は世界共通の話題ですが、彼の政権当時、ペンギンに似た彼の風刺がマスコミを賑わせていました。

2008年の記事より

El pingüino "Néstor" Kirchner

マラドーナとの2ショット。

Un pingüino descontracturado y fanático de la Academia