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~PaPiTaMuSiCaのブログ~

歴史的瞬間♪ TRANS CRIOLLA

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SUNAMERICA CHILE URUGUAY JAPON 南米,チリ,ウルグアイ,日本

2010年11月10日 TRANS CRIOLLA @ハクジュホール

「今夜、初めて、日本で完ぺきなウルグアイのカンドンベが紹介されるんだネ!」

気持ちの高鳴りを隠しきれず、いざ、本番と舞台に上がるウーゴに声を掛けた私。

「本当にそのとおりだ!ピアノ/レピーケ/チコ・・・3種のタンボール(太鼓)が揃ってウルグアイ人によって、日本に初めて完ぺきな形で紹介される、歴史的な一夜だ!!!」ウーゴも嬉しそうに返してくれた。

「ええっと、ワシが(ブラジルの女性SSW)ジョイスと共に初来日したのは1985年?86年だったかな?それから今日まで、10、20・・・24,5年?ウ~ッパ!四半世紀だよ!」とウーゴ。

大げさに聞こえるかもしれないが、ある意味、日本の音楽史に残る「歴史的瞬間」がこの夜、ハクジュホールで繰り広げられた・・・そう私たちには感じられた。

カンドンベのルーツは奴隷としてつれてこられた黒人の音楽。

ウーゴのこだわりは、本当のカンドンベはやはり黒人直系のもの。「これこそが、カンドンベ」と。

その民族の血のなせる音とリズム=『これこそがカンドンベの本流である』と、事あるごとにウーゴはいう。

レイ・タンボールの3人を代表とする伝統的なカンドンベ・ルーツ出身・・・アフロ系の子孫たちへのへの尊重と敬意を彼はどこにいても忘れない。

それはこの日、伴奏に歌に自作のインスト演奏に、全曲のアレンジに・・・と驚くような前人未到の働きをしつつも、サポート役にまわっていた所からもうかがいしれる。

松田美緒がドス・オリエンターレス(ウーゴ・ファトルーソとヤヒロトモヒロのユニット)と国際交流基金主催の南米公演をすることが決定、共演者選びの段階からささやかながらもアーティスト紹介、コンタクトに関わってきた。

何より、ウーゴ率いるレイ・タンボールとの共演が決まったと聞いて喜んだ。

カルロス・アギーレとのドゥオ・アルバムが素晴らしかったチリ人女性歌手・SSW、フランチェスカ・アンカローラとの共演が決まってからは、どうにか南米公演に同行できないかと悩んだ。(結局行けなかったが。)

また来日出来なかったもののアルゼンチンで美緒らと共演したアーティストたちも前後に人と人とがつながっている音の仲間たち。

ウルグアイ・アルゼンチン・チリ3国6ヶ所を2週間で巡った彼らの南米公演は無事大成功。

そして日本でも!!!

今年8月南米で行われた公演のエッセンスを散りばめた日本での凱旋公演が実現!!!

残念ながらアルゼンチン公演出演ゲストは来日できなかったけれど、チリとウルグアイからの初来日が実現。

チリ音楽にしたって、近年これほど本格的にヌエバ・カンシオンを初めとする母国の重要なコンポーザー、ビクトル・ハラやビオレタ・パラの歌を、それらと同等かそれにも負けぬ素晴らしい自作曲をこんなにも温かく包容力をもって歌える歌手の来日は久々であろう。(私のここ10年の中では記憶にない)

日本においても、南米の音楽を現地のアーティストと共にこれほどにも違和感なく、彼女オリジナルのものにし、歌い、踊れる歌手は稀有だ。

来場客の顔ぶれも負けずに幅広かった。

南米の小国のアーティストたちが、こんなにも誇らしげに大きく見えた夜だった。